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セカイ系?!(触りのみ)
2011-06-09 Thu 23:46
「……ね、――――の」
 それはとある夕暮れのことだ。ぼくと彼女は並んで、手を繋いで、歩いていた。
 そんな時、彼女がぼそりと小さな声で何かをつぶやいたのである。
「え?」
 聞き取ることができなくてもう一度聞き返したぼくに苦笑いを向けた後、彼女が上を見つめながら、今度は大きな声でもう一度言った。
「あたしね、ブレーンに選ばれたの」
 ブレーン。その言葉を聞いたぼくはすぐさま息をのんで、彼女の顔を見る。
 ……彼女の斜め上を向く横顔はすごく切なげだった。何か込み上げるものがあるはずなのに、彼女はそれを出さずに微笑みを浮かべている。
 ――ぼくはその強さにひかれて、一ヶ月彼女に告白したのだ。
「な、……んで」
 途切れ途切れになりながら、ぼくは聞いた。――本当は理由を大体予測できている。けれど、ぼくが聞きたいのはその理由じゃない。
「――うん。 やっぱりあたしの頭の良さと芯の強さで決まったんじゃないかな。 この星を支えるには頭脳と強い心が大切だからね」
 ぼくの考えていたことを理解したのか、彼女はまた困ったような表情を浮かべた後、そう答えた。
 しばらく、ぼくたちは黙り込んだ。
 本当は何か言おうと思ったし、彼女を止めたかったが――できなかった。無力の自分に悔しさと悲しさに、ぼくはただうつむくしかない。
 ――ぼくは、とてつもなく不安だった。彼女がブレーンになってしまったら、もう二度とこの手をつかめないような気がして。
「――大丈夫。 あたし、絶対帰って来るから!」
 ぼくの不安を感じ取ったのか、彼女が明るい声でそう言った。
 ぼくは何も言えなかった。ただ強く、彼女の手を握り締める。――この手を絶対に離すまいとするかのように。
 ふと、ぼくは頬にあたたかいものが流れたのを強く感じたのだった。
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