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happy world end
2012-12-18 Tue 22:44
 ――――むかしむかしあるところに、平和な国を治める王様とお妃様がおりました。
   ある日のこと、ふたりは一人の子供をさずかりました。
   その子はたいへん美しく、誰もが新しいお姫様の誕生を祝いました。
   しかし、お姫様が成人されたある日、魔女がその美しさに嫉妬してお姫様を連れ去ってしまいました。
   それを嘆いた王様とお妃様は全ての男達にお姫様を助けてほしいと頼みました。
   そして、一人の王子様がそれを聞き入れ、お姫様を探す旅へと出ました。
   王子様はいくつもの苦難を乗り越え、魔女を倒し、お姫様を救い出しました。
   そして、お姫様と王子様は恋に落ち、やがてふたりは結ばれました。
   こうして、また国には平和が戻り、誰もがいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
   めでたしめでたし。

 ほとんどの物語は「幸せ」になって終わる。あたしの国にもそんな物語があった。
 そう、あたしもそんな恩恵を受けている一人――だった。

       *

 今日もいつもと同じ平和な朝が来た。
 いつも朝寝坊して、いつも父ちゃんに怒鳴られて起きて、いつも暇なのに店を手伝う。そんな毎日の繰り返しだった。
 あたしの家は鍛冶屋をやっている。父ちゃんがすごい腕を持っていて、それなりに忙し――かったのだが、平和になってからは仕事も減っていた。ちなみに、あたしができるのは修理と自分の武器を創ることくらいだった。
 そんなあたしは父ちゃんと二人暮らしだった。母さんは小さい頃に病気で死んじゃったけど、父ちゃんがあたしを大事に育ててくれたおかげで寂しくはなかった。
 平穏な日々だった。……けど、なんだかあたしは物足りないような気もしていた。

 そんなある日のことだった。
「たッ、大変だぁー!」
 お客さんが慌てた様子で、店に飛び込んできたのだ。
「どうしたんでい、そんなに急いで」
 作業していた父ちゃんが手を止めてそう尋ねる。すると、お客さんは答える代わりに新聞を差し出した後、他にも知らせるためかすぐに出て行ってしまった。
 先に父ちゃんが新聞に目を通したが、何の反応もせず、あたしにそれを渡した。
 あたしはすぐ受け取ると、それを読む。そこには幸せだったはずのお姫様と王子様が行方不明であること、そして、王子様の弟がふたりを探そうとしていることが書かれていた。
 読み終わったすぐ後、父ちゃんがじっと見つめていることに気が付いた。あたしはうなずくと、隠してあった自分の大剣を取り出して、背中に担いだ。そして、あたしは言ったのだった。
「行って来るよ」
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